代表挨拶
代表あいさつ ――
こんにちは、みなさん。声を聴きつなぐ会の代表の大原康彦です。恥ずかしながら、HPを訪れていただいた皆さんに代表の顔が見えた方がという助言をいただいて、書いています。
まずわたし自身のことから。わたしは昨年3月まで、三重県の小学校の教師でした。たくさんの子ども達、保護者、地域の方、先生達に出会い、学び、支えられてきました。その42年間を振り返れば、「こまったこと、苦しかったことはたくさんあった。でもいやだと思った子どもは一人もいなかった」とまとめることができた幸せな教師でした。
次はわたしと「声を聴きつなぐ会」。ここにも歴史があります。わたしが性暴力を防ぐ取り組みに関わったのは、性被害をうけた人の訪問を受けた時からでした。それまで遠いこととしか思っていなかった性暴力との出会い。それも自分がいた学校、それどころかすぐそばの教室でおこなわれていたことは、教師としてのわたしの全てを揺るがす事実でした。もう4年以上前になります。それから教育委員会との対応と挫折。加害教員の離職と事実を積み上げるための広範囲の聞き取り。加害教員との再会から性暴力の事実の確認と謝罪を受けるまで。わたし達の経験から作成した性暴力防止の要望書提出など。手探りをしながら、一歩ずつ進んだこれまででした。そして名前のなかったわたし達が「声を聴きつなぐ会」と名乗ったのが一年前です。被害者と共に歩むことが教師であるわたしのすべきことだと信じてきました。
会では、今、市教委との連絡会を繰り返し性暴力防止の意見交換をしています。また性被害の現実と防止の方策を教職員に話し合う取り組み等をおこなっています。(これまでの出来事やわたし達の考えは、このHPで少しずつ紹介させていただきます)性暴力の事実や特性が十分に伝わらない場面もありましたが、さまざまな人達とのつながりの中で会の取り組みは拡がっています。
声を聴きつなぐ会。代表という言葉がくすぐったいほど、ほんとうに小さな会です。しかし、わたし達のその小さな小さな歩みが子ども達と教師、学校という大きな関係を見直し、これからの子ども達の命を守る大きな流れにつながっていくことを信じています。
2023年3月1日
大原康彦